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ANTEC Kuhler H600 Pro v2 レビュー

ANTEC Kuhler H600 Pro v2 レビュー

導入の経緯

いよいよ、気温の上昇とともに、パソコン内部の温度も気になってくる季節がやってきます。Ryzen の性能に対抗すべく、Intelもサーバー向けXeon用の貴重なコアをCore i9 として投入されることになり、PC界隈では Intel vs AMD が数年ぶりの盛り上がりとなっています。管理人も Ryzen の性能の高さに惹かれ、6年ぶりにPCの自作を敢行しました。(パーツ別詳細はこちら

パーツ構成

CPU AMD Ryzen 7 1700
CPUクーラー CPU付属 WraithSpire
マザーボード Biostar B350GTN
メモリー Corsair Vengeance CMK32GX4M2A2666C16
ストレージ Samsung SSD 960 PRO M.2 MZ-V6P512B/IT
ビデオカード 玄人志向 GF-GTX1050Ti-4GB/OC/SF
電源 SMART 600W STANDARD PS-SPD-0600NPCWJP-W
PCケース CoolerMaster Elite 130

パーツ構成でも紹介している通り、管理人の書斎には複数台のPC、データ保管用のサーバーを設置しています。各PCにはOSやアプリ等必要最小限レベルのデータを保管し、容量が嵩張るデータはサーバーに保管しています。このため、各PCのパーツ構成はかなりシンプルなので、フルタワーやミドルタワーなどのケースは嵩張るので、比較的コンパクトな Mini-ITX の Cube型 を多用しています。

Mini-ITX ケースのメリットは、なんといっても拡張性を最低限確保しながら省スペースで収まることなんです。一方、デメリットとして配線等の取り回しもスペースが狭いために困難になり、エアフローと排熱に配慮が必要となります。Ryzen 7 を組み込んだPCケースは CoolerMaster の Elite 130 なのですが、Ryzen 7 1700 の付属クーラーである WraithSpire 直上に電源ユニットが重なる為に、WraithSpire と電源ユニットの隙間が 約3mm しかなく、エアフローがほぼ確保できない状況であったわけです。

簡易水冷キットの物色

パーツ購入時点で簡易水冷キットの購入も考えていたのですが、予算オーバーの為に断念。付属 WraithSpire で 当面乗り切ることにしました。約4万円でOCによって10万円相当のCPUに匹敵する(かもしれない)性能のCPUですが、Ryzen 7 1700 の付属 WraithSpire では、3.85GHz 駆動時にCinebench R15を回しただけで83℃オーバーになることがわかり、定格駆動で利用を余儀なくされていたのですRyzen 7 1700 ですが、やはり常用OCでなければコスパ最強の恩恵を得られない事、夏本番となる前にエアフローを確保するために、手頃な AM4 対応の 簡易水冷キットを物色することになりました。

候補として、下記のポイントで複数候補から選択することにしました。

  1. AM4対応可能であること
  2. 予算1万円程度
  3. 高耐久性
製品 Socket

AM4対応

価格
 Antec Mercury 120 標準対応 \9,480-
 Antec Kuhler H600 Pro v2 標準対応 \7,981-
 Corsair H80i v2 ブラケット対応  \12,000-前後
 CoolerMaster MasterLiquid Pro 120 ブラケット対応  \12,000-前後
 CoolerMaster Seidon 120V  ブラケット対応  \5,880-前後

これら、5機種の中で近隣のPCパーツショップ店頭で購入可能なものは、CoolerMaster Seidon 120v のみ。リテンションキットが必要なのに店頭在庫がないことから、製品構成が非常によく似ているため、Antec Kuhler H600 Pro v2 を購入することにしました。

 レビュー

パッケージ正面:想像していたよりかなり大きめのパッケージ

パッケージ側面:ファン等の仕様が記載されている。

パッケージ裏面:各パーツの特徴説明が写真付きで記載されている。

開封の儀

マニュアルや、保証書などが入っている。その下には、ポンプ一体型CPU冷却ユニット、120mmファン、取り付け用キット、別添でAM4用キット

パッケージ側面の仕様には、対応ソケット一覧にAM4の記載がないこと、AM4対応キットが別添封入となっていた事などから、kuhler H600 Pro に AM4用キットを同梱しただけのモデルのようだ。

取り付け

念の為、マニュアルを開いてみると英語での表記しかなく、AM4用の取り付けに関しては、別紙添付という形であった。この点は、初めて自作するユーザーには少しハードルが高そうだ。
マニュアルで、ファンをラジエター前後で取り付ける例示がされている。CPUやVRM等で温まったエアーを速やかにケース外に排出するには、ケースリアのファンが、排気なのは理想的であると管理人は考えている。しかし、CoolerMaster Elite 130 には、120mm取り付けスペースはフロント側にしかない。

吸気?排気?

ファンの取り付け場所は、フロント1か所のみなので、至極当然、吸気ファンとして設置しました。電源ユニットと簡易水冷ポンプとのスペースは、3mmから30mmと10倍に確保され、エアフローも大幅に改善されたと思われます。写真はありませんが、簡易水冷化+エアフロー改善の真の目的はOCにある為、グリスにはいま流行の Thermal grizzly Kryonaut を使用しました。

 冷却性能

取り付け完了し、電源投入。BIOS起動画面確認し、OC設定を試しました。WraithSpireでは 3.85GHz で90℃オーバーとなり、常用での運用はあきらめましたが、簡易水冷では 3.9GHz で負荷をかけてもCPUは 72.8℃ でマザーボードの温度センサーが 90℃ まで上昇してしまいました。CPU以上に、電源回り等の冷却が必要な感じです。

まとめ

CPU冷却性能は標準添付の WraithSpire よりスペースも確保されるため、エアフローの改善等、格段に冷却効率の向上が確認できた。簡易水冷とはいえ、高耐久でメンテナンスフリーな点はおすすめ。ただし、ファンの風切り音は比較的大きいことから、ファンの交換等で静穏性と高冷却の両立ができそうだ。

また、管理人PCも 3.9GHz で常用環境となり、快適なPC生活を送れそうである。

 

管理人も使用

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